キャンプに行くと、仕事の疲れも取れるんだよね~
そう。キャンプは癒されるし、リフレッシュできる。
なぜだろう?と思い調べてみると、そこには科学的に実証された偉大なる自然の効果がありました!
キャンプに行き森の中で思う「あぁーーー!気持ちぃーーー!」の感情は、何となくではなかったのです。
この記事を読んだら今すぐキャンプへ行きたくなること間違いなし!
キャンプの様々な効果について、科学的に詳しくご紹介していきます。
キャンプがしたい!と思うのは人間として当然の本能
まず「キャンプの効果」についてお話しする前に伝えておきたいのは、キャンプなどで「自然の中で過ごしたい!」と思うのは人間として当然の本能だという事です。
ハーバード大学の昆虫学者、エドワード・ウィルソンが提唱している【バイオフィリア仮説】という説があります。
これは簡単に説明すると「人間は自然を愛している・本能的に求めているんだ」ということ。
なぜかと言うと、人間が誕生しておよそ700万年経ちますが、そのほとんど(99.9%)を自然の中で過ごしてきました。
ビルなど人工的なものに囲まれて過ごすようになったのは、ほんの100~200年だよな。。
ゆえに、私たちの生理機能はまだ自然に適応しているのです。(遺伝子の変化には、少なくとも1万年は要する)
バイオフィリア仮説を裏付ける特定の遺伝子はまだ見つかっていませんが、自然界からの刺激に人間の脳が強く反応すること様々な研究で明らかになっています。
自然に触れることにより脳が活性化、集中力が増すことも明らかとなっています。
キャンプをするとストレスが減る!?など健康に良い効果3選
キャンプだけに限ったことではありませんが、自然の中で過ごすことにより得られる健康への効果を詳しくご紹介します!
NK細胞が40%増大する
なんと!森の中に2~4時間いるだけでナチュラルキラー細胞※が40%も増大することがわかりました!
細菌やウイルスなどの病原菌やがん細胞を発見すると、いち早く攻撃を始めるすごい細胞なんです。
これは2008年、千葉大学環境健康フィールド科学センター宮崎良文教授と李卿(りけい)教授が行った研究結果です。
東京在住のビジネスマン数十人に、3日間、2~4時間ほど森の中をハイキングしてもらいました。
そして3日後に血液検査をすると、NK細胞が40%増大し、さらにその後も7日間増えた状態は持続。
1か月経過後も、NK細胞の数は森で過ごす前より15%も多かったのです。
ちなみに同じ条件で都会を散歩してもらったところ、NK細胞には変化はみられなかったそうです。
1日だけ森の中で過ごすだけでも、効果は十分得られますが、持続時間は1週間ほどと短くなります。
1日2~4時間でこれだけの効果があったのだから、一日中森の中にいるキャンプではその効果も絶大ってことよね!
が、この話を聞くと、十分あり得る話なのかもしれないと思いますね。
ストレスが減少しリラックスできる
同じく千葉大学の宮崎教授が行った研究では、被験者数百人に森の中をゆっくりと散策することで、都会を歩いているときに比べて、コルチゾール値※が16%も下がることを発見。
さらに交感神経の活動が4%、血圧が1.9%、心拍数が4%下がりました。
交感神経(運動時やストレスがかかると上がる)を下げるのは難しいみたいだけど、森の中で過ごすだけで減るなんてすごい!
森の散策後、質問紙で心理面について質問すると、気分が良くなり不安感が軽減したという結果も出ました。
交感神経が下がる事で副交感神経が優位になり、リラックスできるわけですね。
副交感神経は胃腸の消化・吸収を促してくれるので、キャンプでの食事は普段よりも美味しく感じるのです。
キャンプ飯がめちゃくちゃ美味しく感じちゃうのはそんな理由があったのね!
普通の旅行では感じられない精神的な解放感や安心感は、科学的にも説明できるんだ。とすごく納得しました。
さらにソロキャンプもストレス軽減にはかなり効果的です。
心理学者であるヨアキム・ウォールウィル氏によると、自然の中で1人で過ごす時間は精神的に疲弊した人や社会的なストレスに苦しむ人の回復に特に効果があるようです。
創造力が上がる
自然の中で過ごすと、脳の前頭前野の酸素化ヘモグロビン(血液中の酸素を運搬するヘモグロビン)濃度が低下し、活動が鎮静化することが確認されています。(リラックスする)
その前頭前野で減少した血液の行く先は、快感、共感、のびのびとした思考などと関連する島皮質(トウヒシツ)や前帯状皮質などに血液が流れることがわかりました。
さらに小規模な実験ですが、創造性が50%も向上したという研究結果も発表されています。
確かに自然の中にいると、心も体も開放的になって普段思いつかないアイデアが閃いたりするよな!
キャンプはヒトの根源欲求3つを満たしてくれる!
キャンプで得られるのは自然の効果ばかりでなく、人間が持っている根源的な欲求をすべて満たしてくれるのです!
その結果、毎日楽しく過ごせたり、仕事ができるようになったりと、満足度の高い日々を過ごすことができます。
ヒトの根源的な欲求と何か?
それは1985年にアメリカの心理学者であるエドワード・デシ(Edward L. Deci)とリチャード・ライアン(Richard M. Ryan)が提唱した【自己決定理論】にあります。
【自己決定理論】を簡単に説明すると、「人間のモチベーションは、自分が決めた程度(自己決定)が大きいほど、大きくなる」という理論です。
他人から言われてことをやるよりも、自分で決めたことの方がやり抜く意思が強くなるよね!
そして【自己決定理論】の根幹を支える3つの基本欲求は「有能さ」「関係性」「自律性」です。
有能さ
「有能さ」は自分の能力とその証明に対する欲求。
自分が有能なのだと感じれる機会が多ければ多いほどいいのですが、キャンプではそれを思わせてくれる機会が多いです。
例えば「世間では難しいと言われている火起こしは、私にとっては楽勝だぜっ」とか、「ひとりでテント設営してやったぜ」とか、子供に「お父さん(お母さん)すげーーー!」と褒められたりとか。
そもそもキャンプに来ている時点で、行動力があり充実した人生を過ごせている!って思う~(幸せなヤツ)
【自分はできるやつ!】と感じる機会が普段の生活よりも多いのではないでしょうか?
関係性
「関係性」は周囲との関係に対する欲求。
好きな人と過ごす時間が長いほどいいのですが、キャンプを嫌いな人と一緒にすることはまずないですよね。
家族や友人など、自分が好きな人とやることが多いのではないでしょうか?
さらにキャンプではテントの設営や料理など、協力し合って行うことが多いですよね。
これがとてもよくて、人は協力し合うことで関係性がより深く強いものになります
自律性
「自律性」は自己の行動を自分自身で決めることに対する欲求。
ほとんどのキャンパーは、【キャンプをする】ことを自分で決めますよね。
キャンプをするという事は【いつ行くか・どこに行くか・誰と行くか・キャンプでは何をするか・食べるか】など自分で決めなくてはいけないことがたくさんあります。
人に言われてやるのではなく、自分で決めて行動することこそが「自律性」の欲求を満たしてくれるんです。
普段の仕事では言われたことをすることが多いから、キャンプは自律性を存分に満たしてくれるいい機会なのよね
キャンプは学びがたくさん!子供が得られる成長にイイ効果
子供にとって、キャンプをすることは大人以上に効果的です!
なにがそんなにいいのか?詳しくご紹介していきます!
非認知能力が育まれる
非認知能力とは、数値化が難しい内面的なスキルのことです。(認知能力はIQなど数値化できること)
例えば、自己肯定感や創造力、行動力や協調性、忍耐力など学校での勉強だけでは付きにくい能力のことを言います。
私が思うに、非認知能力は勉強よりもよっぽど大切で、幸せに生きていくための大きな土台になると思います
(「非認知能力」を鍛えることで、やる気につながり結果的に学力の向上にもつながると考えられている)
ではなぜキャンプをすると「非認知能力」が育まれるのでしょう?
- 動植物を見たり触れたり調べたり、「もっと知りたい!」の【知的好奇心】が育つ
- テントを設営したり、食事を作ったり、協力して行うことがたくさんあるキャンプでは【コミュニケーション能力・協調性】が育つ
- 火を起こす、虫を捕まえるなど、自分が決めたことをやり遂げることで【自己肯定感】が育つ
- 雨風など刻一刻と変化するキャンプでは、状況を把握し柔軟に対応する【問題解決力】が養われる
- 様々な動植物と触れ合うことで【思いやり】の心が育つ
- 自然は偉大であり、かつ思い通りにはならないので、「まぁ、いいか!」の【楽観性】が育つ
- 石や枝など自然の物を使って遊びを考えるので、【創造力】が育まれる
他にもまだまだあると思いますが、自然の中で過ごすキャンプには「非認知能力」が育ちやすい条件がたくさんあることがわかります。
うちの息子も、キャンプによく行くようになってから虫を怖がらず触れるようになりました。
さらに普段の生活でも「虫さんつぶされたら可哀そう」と、道路の真ん中にいるダンゴムシをせっせと道路脇の土に運んでいるのを見たときは、これはキャンプのおかげ!?と何だか嬉しくなりました
そしてキャンプは当然親も楽しい訳です。
親がキャンプを思いっきり楽しむ姿を見せることで、子供自身も自ら楽しむ好奇心や自己肯定感が育ちます。
「子供は親の背中を見て育つ」とも言いますが、親が楽しむ姿を見せることは、子供にとっても色々な面でプラスに働くんですね。
強いからだを作れる!
自然の中で過ごすことが多い子供は、より多様でより健康な細菌(マイクロバイオーム)が体内に大量に宿っていることがわかっています。
なぜかというと、主に【土】のおかげのようです。
土の中には様々な細菌がおり、子供の頃にそれらにさらされることによって、ぜんそくやアレルギーなどの免疫疾患から保護されることは科学的にも実証されています。
さらには抗炎症や、ストレス耐性などの性質もあり、子供にとって(大人にもですが)いいことだらけ!
土いじりは子供にとって楽しいだけでなく、健康にもすごくいいんですね…!
親があまり神経質にならず、思いっきり土いじりを楽しませてあげましょう♪
土はスゴイ
土についてさらに少しだけ…
雨上がりの土の匂いってありますよね?
思いっきり深呼吸したくなるようなあの香りの正体は、土の中にいる細菌が作る化合物【ゲオスミン】によるものなのです。
ゲオスミンを生産している細菌は、ストレプトミセスと呼ばれる放射菌の一種で、抗生物質の素となる菌であることから人間にとってなくてはならないものです
だから人間(動物皆)はゲオスミンの匂いが大好きで、ほんのわずかでも匂いを嗅ぎ付けることができるんですよ。
キャンプの効果を存分に得られるキャンプ場はどんな場所?
結論から言えば、【木がたくさん生えていて、鳥のさえずりがして、川が流れている、騒音がない】キャンプ場です。
樹木が多いキャンプ場
【キャンプをすることで得られる健康への効果】の章でご紹介した、NK細胞増大やコレチゾール値の減少などの効果は、主に「フィトンチッド」と呼ばれる物質の影響ではないかとされています。
森の中で感じる「イイ香り」の正体でもあるんです。
この「フィトンチッド」というのがすごくて、多くの菌やウイルス・カビまでも不活性化や除菌してくれちゃうんです!(様々な研究で実証されています)
更にフィトンチッドはストレスを53%減らし、血圧を5~7%も下げるという研究結果が出ています。
つまり健康のためにキャンプに行くのであれば、樹木が多く生息する森の中で過ごすのが最高にいい!という事です。
更にできれば1ヶ月に5時間以上は、森の中で過ごすのがいいんです。
「でも、そんなにキャンプ行けないやい!」という方は、ここだけの話、ヒノキのオイルの匂いを嗅ぐだけでも効果があるんです…。
同じ千葉大学の研究で被験者に3日間、ヒノキのエッセンシャルオイルの匂いを充満させた部屋で過ごしてもらうと、NK細胞が20%増大し、血圧も下がることがわかりました。
キャンプに行けな時はヒノキの香りをかぐべし!
音の効果も絶大
他にもキャンプで得られる体にいい効果は、耳で自然の音を聞くこと。
カールトン大学(カナダ)のレイチェル・ボクストン氏らの研究によると、鳥のさえずり・波や川の音は、いら立ちやストレスといったネガティブな感情を抑える一方で、ポジティブな感情を高め、健康を増進させる効果があることがわかりました。
その理由としては、古代から人間には危険や安全を知らせるシグナルを感知する能力が備わっているからなんだって!
自然の音にあふれた環境は安全性を示す優れたサインとなる一方、音がない(自然の音に乏しい)環境は何か問題があるのでは?と警戒心が呼び起こされるのではないかと推測されています。
最近のキャンプブームで、どのキャンプ場も人が多く中々自然の音だに集中することは難しいかもしれませんが「音に意識を向ける」ことは、リラックスにつながるでしょう。
フラミン子のInstagramでも解説しています!
2024年1月現在2万人のフォロワーがいるフラミン子のインスタでも、キャンプの健康効果について解説しているのこちらもぜひご覧ください!
キャンプの効果は絶大!科学的にひも解く健康や子供へのメリットとは?:まとめ
もう早くキャンプに行きたいっ!
というか森の中で暮らしたい!と思ってしまうほど、自然が与える人間への素晴らしい効果がこんなにたくさんあったとは驚きでした。
これからキャンプへ行くときは、鼻の穴を大きく広げてフィトンチッドをたくさん吸い込み、鳥のさえずりにも耳を澄まし、私はできるやつ!と欲求も満たしてあげれば、もう人生最高気分になること間違いなし!
偉大な自然に感謝して、これからもたくさんキャンプを楽しみましょう~!
※今回の記事を作成するにあたり、たくさんの書籍を読みましたが、一番のおすすめはこの本です。
とても面白いので、興味がある方は是非読んでみて下さい。