2020年1月28日、日本で初めてのP2P保険「わりかん保険」がjustInCaseから誕生しました。
P2P(ピアツーピア)保険と言われるもので、簡単に言うと「保険加入者同士で保険金を払い合う」保険です。
「助け合い保険」とも言われ、透明性が高いのが特徴です。

では早速「わりかん保険」詳しくご説明しますワン!
日本初!P2P保険の「わりかん保険」とは?
「わりかん保険」は国内初となるP2P保険で、justInCaseが提供するがん保険です。
ちなみにP2P保険とは、
- 友達同士や同じリスクに対する保険に興味のある集団(以下、この集団を”プール”と呼ぶ)で、保険料の拠出を行う
- 保険事故が発生し保険金請求が行われた際には、このプールから保険金が支払われる
- 保険期間満了時(通常は1年後)に、保険金請求の額が少なく、プールに残高が残っている場合には、その残高は、保険金請求を行わなかったプールメンバーにキャッシュバック(もしくは次年度割引)される
つまり、保険の契約者同士がリスクをシェアし、もしものことが起こった際に助け合う仕組みです。
20 ~74歳までが対象の保険で、過去5年以内にがん(悪性新生物、上皮内がん)と診察されたり、がんで入院や手術を受けたりしたことがない方が対象です。
以下の8社と協業しています。
- アドバンスクリエイト
- SBI日本少額短期保険
- クラウドワークス
- 新生銀行
- チューリッヒ少額短期保険
- ディー・エヌ・エー
- 日本生命保険
- LINE Financial
保険料は?
「わりかん保険」の最大の特徴は「後払い」ということ。
契約者の中にがんになった人がいなければ、翌月の保険料は0円になります。
契約者の人数や、がんになった人の人数によって毎月の保険料は変わります。

沢山の人ががんになったら保険料はすごく高くなるんじゃございませんんの?
いえいえ、そんなことはありません。
年齢ごとにに上限が決まっているので一定額以上はかかりません。
1年間定期保険で、20〜39歳、40〜54歳、55〜74歳と年齢や性別に応じて、保険料の上限や死亡保険金が異なります。
がん診断時の一時金は一律80万円となります。
20〜39歳 | 40〜54歳 | 55〜74歳 | ||
月額保険料 | 0~500円 | 0~990円 | 0~3,190円 | |
がん診断一時金 | 80万円 | 80万円 | 80万円 | |
死亡保険金 | 男性 | 150万円 | 50万円 | 30万円 |
女性 | 10万円 | 60万円 | 90万円 |

死亡保険金が男女でだいぶ違うんですね
保険料のお話を詳しくすると、
例えば、契約者数が1万人で、がんと診断された人が2人いた場合、保険金の合計金額160万円になります。
それに加えjustInCaseが受け取る管理費(保険料の30%)を加えた金額が保険料となり、残りの9998人で割り勘となり翌月の保険料となります。
わりかん保険 メリット・デメリット
メリット
わりかん保険のメリットは「透明性」と「還元率の高さ」でしょう。
透明性
保険料の支払いが「がんになる人の人数」や加入者数によって決まるため、「先月は何人がんになり、管理費は給付金に対して30%なので、保険料はこの額になります」と開示しなくてはいけません。
従来の保険会社では支払った保険料がどのように使われているか開示されていなかった為「保険会社がずいぶん儲かってるんじゃないかな。。」なんて不信感もあったりしましが、この保険ではそういったことがないので安心です。
還元率の高さ
わりかん保険の還元率は77%ということです。
一般的な生命保険は45%前後となりますので、その還元率の高さがわかります。
つまり、損しずらい保険と言えるでしょう。
デメリット
私が思うデメリットは、「保障期間」「保障内容」「今後についてはわからない」ということ。
保障期間
「わりかん保険」は1年ごとの更新になるので、もし途中でがんになった場合、翌年以降の更新はできません。

つまり、「再発」には対応できないとうこと
多くのがん保険は、がんになった後2年以上再発がなければ、引き続き保障を受けることが可能ですが、「わりかん保険」は対応されません。
そしてもう一つ。保証は一生涯ではないということ。
74歳までしか入れません。
74歳以降にがんになっても保険料は受け取れません。

いままでずっと払ってきたのに、結局もらえなかった。。
何てこともあり得るわけです。
がんになるのは、高齢になるほど確率が高くなるわけですから、74歳までというのはちょっと心もとないですね。
保障内容
「わりかん保険」とてもシンプルな保険で、「ガンと診断された場合に80万円がもらえる」のと、「死亡した場合に年齢や性別に応じた死亡保険金がもらえる」保険です。
とてもシンプルで分かりやすい反面、保障内容としては手厚いものではありません。
多くのがん保険には、手術したらいくら、入院や通院でいくらなど、保障を充実させていくことができますが、「わりかん保険」にはそういったものはありません。
つまり、「手術給付金」、「入院給付金」、「通院給付金」などの手当てはないのです。
とはいえ、がんと診断されれば一律80万円もらえるわけですから、保険料を考えれば決して悪くない保障内容かもしれません。
今後についてはまだわからない
実はこの保険、現在は実証実験中となります。
今後打ち切りになる可能性もあり。
十分な加入者を集めて仕組みが問題ないと検証され、実証実験が成功裏に終了した場合は、契約期間満了後も引き続き更新できるとのこと。
仮に打ち切りになっても、すでに加入した契約については1年間の期間満了まで契約は続くそうです。
国内初となるP2P保険ですから、実証実験が成功した場合もその後5年後10年後はどうなるかわかりません。
保険料が上がる可能性もあるので、その点で不安に感じることもあります。
後払い!?「割り勘保険」のまとめ
働き盛りの20~54歳までの人が、他の保険と合わせて加入するにはとても良い保険ではないでしょうか。
一般的な保険にがん保険を追加した場合、保障内容にもよりますが月々1,000円以上はかかる場合が多いと思います。
39歳までなら上限500円、54歳までなら上限990円と低価格でがん保険に加入できると考えればお得ながん保険です。
その反面、正直55~74歳までの方が月々3,190円(上限)払ってまで入るべき保険か?と考えると微妙な気がします。。
そして、P2P保険は海外では成功しているようで、特に近年は中国が盛り上がっおり、アリババ(アント・ファイナンシャル)の「相互宝」はリリース約1年で加入者数が1億人を突破しているそう。
P2P保険は保険金請求が発生すると、「支払保険料+運営費用」が契約者全員で負担することになるので、支払保険金が増えれば増えるほど保険会社の利益も共に増えます。
P2P保険は保険業界の利益相反の関係を解消した革新的な仕組みと言えます。
保険会社にとっても契約者にとってもお得な保険というわけです。
日本でもこの保険は成功するのでしょうか?
これからが楽しみです。